おいしいパンのしくみとしこみ

日々パンの謎を研究しつつ、プレゼントしたくなるような体に優しいお菓子やパンのレシピを綴ります

ハレの日のお菓子 クーゲルホッフ 

クリスマスも近いことだし、
クリスマスのイースト菓子クーゲルホッフ(フランス語ではクグロフ)を焼きました。

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アーモンドを上に焼きこみたかったのですが忘れてしまった。
このぷっくりしたお尻の感じは、アルザス(フランスの片田舎)風ならしいです。

中はラム酒に漬けた、レーズン、クランベリー、りんご
ローストして皮を除いた胡桃を入れました。

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生地が少し失敗してしまったので、あまりきめ細かくないですが...
とっても良い香りで、少しふわふわしてて、リッチな気分になるパンです。


◇クーゲルホッフ史

クーゲルホッフは、17世紀頃オーストリアで生まれたお菓子。
”クーゲル”=球形、”ホフ”=ビール酵母という意味で、
昔はビール酵母を使っていたらしいです。

オーストリア出身マリー・アントワネットが大好物だったため、1770年頃フランスに伝わります。
マリー・アントワネットはスイーツ界のファッションリーダー的存在なので、
すぐに周囲の国の貴族にも流行し、すぐにヨーロッパ全土に伝わったとのこと。

日本にようやく伝わったのはここ数十年でしょうか。この時代に生まれてほんとに良かったー。


◇酒種風味に

せっかく日本に伝わったのだから、日本風にアレンジってことで酒種風味にしてみました。
風味ってことなので酒種は使ってないのですが。
発酵にはごく少量のイーストを使い、長時間発酵で生地を膨らませます。

酒種風味にするのには、今回は酒粕から作られた酒粕発酵パウダーを使ったのでお手軽です。
酒粕や、甘酒などを用いることもあるのですが、生地の物性や味への影響が大きいので結構難しいんですよね。
酒粕発酵パウダーは、1%加えましたがもうちょっと多くても良いかも。
ほんとに隠し味っていう具合になりました。

でも酒粕の嫌なクセがなく、コクのある香りがします。
バターと合わさってもう何とも言えない良い香り


◇バターが多い生地の注意点

バターはできるだけ少なめにしましたが、それでもバターが多いブリオッシュタイプのこの生地。
温度管理がけっこう難しいです。
作ってる途中で、バターが溶けてしまうと、焼いた後パサパサのパンになってしまうので。
パン屋さんで売ってるブリオッシュで、パサパサなものに出会うのもこれが一つの原因。

私もしょっぱなの捏ねる段階で、バターが溶け気味に...(-"-)
水分調整に手間取って、生地の温度が上がってしまいました。

①バターは使う直前まで冷やしておくこと。
②入れる時は、ぐにゃぐにゃ潰しながら入れること(混ざりが良くなる)

がポイントです。

2日かかる生地なので、寒くて外に出たくない休日にでもぜひ作ってみて下さいね♪


酒種風味のクグロフ
<18cmのクグロフ型 1個分>

*フィリング
 レーズン    70g
 りんご    1/2個
  (↑レンジに10分かけ、セミドライ状態にする)
 クランベリー  20g

 をラム酒に漬ける。
 
 くるみ 60gをお皿に広げて、レンジ(600W)に5分かけてローストし、
 ふるいにかけて皮を除き、
 ラム酒に漬けたドライフルーツに混ぜておく。

*生地
 強力粉     170g
 薄力粉      70g
 耐糖性イースト   5g
 塩         5g
 砂糖       50g
 酒粕発酵パウダー  4g

をパン捏ね機(ホームベーカリー)に入れ、少し回して粉類を混ぜる。

 卵       100g(M2個分)
 牛乳(冷)    80g 

を加えて15分ほど捏ねる。

  *甘酒で香りをつけたい時は、ここで牛乳の半量に置き換えて加える。
  (砂糖も40gくらいに減らす。)

バター(細かく切って冷やした)90gを手で潰しながら入れ、10分ほどさらに捏ねる。 

一次発酵:ひとつにまとめてラップをし、冷蔵庫で20~24時間発酵させる。

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台の上に取り出し、平たく伸ばしてフィリングをのせる。

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包み込んでまん中に穴を開け、バターを塗って強力粉を薄くまぶした型に入れる

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最終発酵30℃で90分発酵↓

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焼成170℃で40分(途中焦げそうなら、アルミホイルをのせる)
   写真のように焦げすぎにならないように。
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2日くらい経っても美味しいですが、乾燥しないように
ラップをしたり袋に入れて保存してくださいね。